IDA18スケールアップ・ファシリティ(SUF)は、IDA第18次増資(IDA18)の期間中(2017年7月1日~2020年6月30日)の国別または地域レベルのプロジェクトへのIDA融資の拡大を目的としています。このファシリティにより、非譲許的(IBRD)融資条件で最大62億ドルがIDA対象国に提供されます。この資金はIDA18期間中に受益国が受け取る通常の譲許的資金に付加されるものです。
IDAは途上国の債務持続可能性を非常に重視しており、IDA18スケールアップ・ファシリティの融資を受けることができる国は過剰債務リスクが低・中程度のIDA融資適格国に限定されています。
このファシリティの対象プロジェクトとしては、次のようなものが考えられます。
- すべてのセクターの投資プロジェクト融資(保証の使用を含む)
- 開発政策融資(CAT-DDOを含む)
- 成果連動型プログラム融資
配分に当たっては、高い投資利益率、開発インパクト、成長配当が見込まれる国別または地域レベルのIDAプロジェクトが優先され、IDA支援のみが対象である国とIDA-IBRDブレンド国との間で適切なバランスをとって配分されます。
このファシリティで提案されるプロジェクトの優先順位の決定では次のような追加的要素も考慮されます。
- 債務持続可能性:優先順位決定の第一の基準により、低リスク国が最優先され、次に中リスク国が考慮されます。
- キャパシティ:さらに、資源吸収力(各国のCPIAスコアとポートフォリオ・パフォーマンスの両方で評価)の高い国が優先されます。
- その他の主要な考慮事項:プロジェクトでの財源調達、強靱性構築の支援、低炭素型開発に沿ったインフラなど国境を越えた利益の提供、国レベルで決定された貢献の支援を通じた経済的変革の推進といった「ソフト面での優先順位付けフィルター」も留意されます。
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