国際開発協会(IDA)は世界銀行のグループ機関であり、世界で最も貧しい国々を支援しています。1960年に設立されたIDAは、世界銀行設立以来の貸出機関である国際復興開発銀行(IBRD)の活動を補完し、世界各国の未来への投資、生活水準向上、より安全で豊かなコミュニティの構築のために無利子またはごく低金利の融資(「クレジット」)と贈与(「グラント」)を提供しています。 IDAは、世界の75の最貧国に最大規模の資金援助を行っており、これらの国々の基礎的社会サービスを支援するドナー基金として単独では最大規模を誇ります。
IDAの融資は譲許的融資と呼ばれ、無利子またはごく低金利で、返済期間は30年から40年と長期にわたるなど、極めて緩やかな条件で行われます。IDA借入国の内、半数以上が、返済を一切求められない「贈与」の条件でIDA資金の全額または半額を受領しており、対象は過剰債務に陥るリスクの高い低所得国です。
IDAはこれまで主に加盟国政府からの拠出金で運営されてきました。ドナー国は3年ごとに会合を開き、IDAの増資を協議するとともに、政策枠組みを見直します。直近の第20次増資(IDA20)の交渉は2021年12月に妥結し、IDA借入国のために2022~25年度を対象に過去最高の930億ドルの資金パッケージに合意しました。
IDAは、譲許的融資とグラントに加え、重債務貧困国(HIPC)イニシアティブおよび多国間債務救済イニシアティブ(MDRI)を通じて大幅な債務削減も行っています。
2024年度(2024年6月30日までの1年間)のIDA融資誓約額は総額312億ドルでした。
これまでに35カ国がIDAを卒業し、中国、チリ、インド、韓国、トルコなど多くがドナー国として貢献するようになっています。
最終更新日: 2024年10月19日